interview vol.1

第1回公演「黒い二、三十人の女」に出演いただいた吉永輪太郎さん、全公演に出演している福永理未さんのインタビューをお届けします。2度目の共演となるお二人のNe’yankaに対するイメージや、今回の「ペストと交霊術」について話を伺いました。

-今日はよろしくお願いします。

 

福永 ミュゼット役の福永理未(ふくながさとみ)です。

吉永 え?自己紹介するんだ(笑)

   クラント・オルドル役の吉永輪太郎です。

 

福永 (役名の)苗字言うんだ…

-福永さんは3回目の出演ですが、これまでの公演と今回の公演で違いはありますか?

 

福永 まず劇場が違う(一同、爆笑)

   これまでに比べて、ひねくれているっていうか人間臭い。私が人間を演じるというのもあるんだけど。※

 

※福永さんは、第1回公演でロボット、第2回公演で「生まれてくる前の何か」の役でした。

 

吉永 Ne’yankaの作品って、Ne’yankaの色みたいのが強くて。僕はその作品が、いい作品かという判断を、その作品を見ることでしか生まれない感情になったりとか、その作品でしかできない体験ができるかというのを基準にしていて。Ne’yankaの作品に関しては、旗揚げ公演に出て実際にお客さんの反応を見たりとか、「ペストと交霊術」の台本をもらった時に、この作品を見ることでしかならない感情になるだろうなと思った。それこそ、唯一無二というか、Ne’yankaはほかのところと違う。「あそこの団体っぽいよね」とか、「あのメソッドっぽいよね」とかっていうのがなくて、ほかと全然似てないのが、すごく、僕はいいなと思います。

 Ne’yankaは作家と演出家が、憧れで作っていないところがいい。どこかのカンパニーがやっていることを真似て、「こういうのをやりたい」とかっていうのじゃない。自分たちのやりたいことがはっきりしてる。感覚を大事にしているっていうか。フォロワーになるつもりがないっていうのがNe’yankaを感じる。

 

福永 (両角)葉さんが全面的に遠藤(良太)さんの書くものを信頼しているし、面白いものになるって信じているタッグじゃないですか。葉さんがこの作品をやりたいと思ってやっているからビジョンがはっきりしている。

 

―台本を読んで、どんなイメージを持ちましたか。

 

吉永 僕、読んだときに、全員本当にクズだなって思ったんですよね。

   自分がしたいことだったりとか、求めていることを俯瞰して見れれば、「自分の言っていることが、おかしいんじゃないか」とか、「これをやっている限り自分のほしいものが手に入らないんじゃないか」っていうふうに気づくはずなんだけど、僕はそれに気づけないっていうのが人間なんじゃないかなってすごく思っていて。それこそ、気持ちが強くなればなるほど、失いたくなければ失いたくないほど(視野が)狭くなっちゃうっていうのが、すごく人間らしいなと思うし、その弱さってすごく魅力的で。それが登場人物全員から感じられる台本だったっていうのが、僕はすごいなと思いました。だからクズさみたいなのが、やっぱり魅力だなって思います。

 

福永 それが言いたかったの。弱さ。さっきひねくれてるとか言ったけど、そういうことだなって。同じこと思ったなって(笑)

 最初読んだときは壮大な世界観っていうイメージだった。だけど読めば読むほど人間味が増す。

 

吉永 弱さってね、書くのすごい大変じゃないですか。演技でも。その「弱さ」っていうのが見たくて、僕はいろんなもの見ているなっていう気がすごくする。だから本当にドストライクでしたね。救いがなかったりとか、実人生では実際に絶対こんな体験したくないなっていうことを、作品を通して体験ができるっていうのが、演劇や映画を見る理由としてあるから。

 

福永 (役者が)思いっきり自分のカッコ悪さとかを出して、それで、お客さんが笑ってくれたらいいかな。

-どんな人に見てほしいっていうのはありますか?

 

福永 結婚生活がうまくいっていない人(一同、爆笑)または新婚の人?

 

吉永 うそ?!新婚の人に見せる?これを?!

 

福永 それで「うちらは違ってよかったね」でもいいし…

吉永 僕はやっぱり順風満帆じゃない人が見てくれるといいかな。作品で表現される「弱さ」を見ることが、実人生で同じ体験を経験した人にとって救いになることってあるじゃないですか。代弁してもらっているじゃないけれど。「そういう体験しておいて、よかったかもしれないな」って気持ちなるのは、すごくいいなと思うから。

  (登場人物が)個人的なんですよ、みんな。使命を帯びているわけでもなければ、命令されているわけでもないし、それぞれ自分の意志で選んでいるはずなのに、不幸になっちゃうのが…それがなんかつらい。

福永 でもさ、順風満帆じゃない人が見て、あまりに共感しすぎると死んじゃう恐れがある(一同、爆笑)

     だから、お客さんが「ここまで酷くないよな」って思ってくれればいいな。

     感情移入しすぎたら命取り。共感しすぎは命取りだと。

 

吉永 すごい芝居だな(笑)でも「ペストと交霊術」ってタイトルに惹かれてくる人は楽しめますよ。そもそも。

 

―タイトルとチラシに惹かれて見に来ていただいたら、間違いはあまりない気がしますね。

吉永 あれすごくいい動機になってると思うんだよね。

福永 この文章とチラシのビジュアルで興味持った人は来てほしい。

 

吉永 だまされたと思う人は絶対いないよね。

 

福永 いい意味でだまされてほしい。

両角 (演出家登場)このチラシの役者のビジュアルは、偉人や物語の印象的な死に方をした人をモチーフにしたりしているんだけど、「みすず学苑」になっちゃいそうなところ、素敵なビジュアルになって。撮影後に「こうなります」ってギャグで「みすず学苑」の画像を役者に送ったんだけど(笑)

 

福永 私、最初びっくりして。「え、うそでしょ?」って。(画像が送られてきて)こんな感じになりますって。

 

両角 私が遠藤さんに「偉人をモチーフにしたビジュアルにするよ」って言ったら「え?みすず学苑?」って言われて、それをデザイナーの鈴木りりせさん(ポーラは嘘をついた)に言ったら、りりせさんが激怒っていう(笑)

 

吉永 「あんなにダサくない!」

 

両角 でもこれ、一人でもビジュアル悪い人いたら本当にみすず学苑だと思うよ。

 

吉永 お遊びになる。

 

両角 これすごい勝負だと思った。

 

吉永 お客さんが、どう見ればいいのかわからなくなる(笑)。

―最後に、見に来てくださるお客様にメッセージをお願いします。

吉永 僕、一番最初にタイトルがあまりに物騒すぎると思って。ペストっていうのも実在している病気だから、そうするとやっぱり嫌悪感というか、気持ち悪そうだなっていうのが先行しちゃうかなって思ったんだけど。でも今話してて、ああそうかって思いましたけど、「ペストと交霊術」っていうタイトルと、このビジュアルに惹かれるお客さんは見に来てほしい。これがちょっとでも面白そうだなって思うお客さんが見に来たら、僕たちは共有できるんじゃないかなって思います。

―では、福永さんは?

 

福永 ・・・(無言)

 

吉永 今さ、(考える)時間あったよね??(笑)

福永 そんな大それたことは言えないんですけど、絶対面白いです(一同、爆笑)

   Ne’yankaを好きな人はもちろん楽しめると思うし、見たことない人でも面白いと思ってもらえると思うし。今回、演劇表現としても初めての試みがありそうだし。ぜひ、劇場に来てほしいです!

まだ稽古が始まったばかりの「ペストと交霊術」。皆さん、楽しみにしていてください!!