「MILANDA ミランダあるいはマイ・ランド」終演のご挨拶
遅ればせながら、10月6日に「MILANDA ミランダあるいはマイ・ランド」終演いたしました!
ご来場いただいた皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!!
10月だというのに30度を超える晴天続きで、まさに南の島を舞台にしたミランダ日和の1週間でした(本来、ミランダは〇〇なので、天気が良くなくていいのですが。笑)
この作品は遠藤氏が1999年に書いたもの&2007年にリライトしたものを元に、若干手を加えられたNe'yanka版になります。
「ペストと交霊術」が終わり、さて、次はどうしようと思っていたときに、思いついたのがこの作品でした。(遠藤氏は新作を書く気はない、と断言しているので、どうしても過去作になるのです。そして、もう過去作もほとんどやってしまったので、もう、やれる本がない!!)
私は1999年版を見ているのですが、岩場にイアンさんを流すシーンをうっすら覚えているくらいで、ほかの遠藤作品に比べて印象も薄く、テーマが感じられない作品でした。(ほかの作品は割と明確に覚えているのですが)
改めて読んでみると、今の時代にピッタリ!!そして、やればやるほど気づくことが多く、最後まで「もっともっと」と思い続けた作品でした。
正直、今も、もっといけたんじゃないか、と思ってしまっているのですが^^
一見して、なんでこんなことを言っているんだろう?という台詞が、よくよく読むと、スッと理解できる。
台詞の一つ一つに大切な意味があり、それぞれの胸のうちが、少しずつ台詞から染み出ているような脚本でした。
前回の「ペストと交霊術」が全員、自分勝手で自分の欲のために行動していたのに対し、
「MILANDA」は全員が、他者のことを考えて行動している作品です。
なのに、迎える結末は、同じ(「MILANDA」のほうが残酷ですらある)。
これって、世の中だな、世界だな、と思うのです。
今を生きている私たちは、いくらでも世界をいい方に舵を取れます。
でも死者には、その力は有りません。
ただ先人たちの残したものは確実に受け継がれています。それが悲劇であっても。
これは生きている私たちに向けた死者による祈りの物語です。
そして、それは死者への祝祭の物語でもあるのです。
本公演に関わってくださったすべての方々に深く感謝いたします。
Ne’yanka
両角 葉
