「ペストと交霊術」の覚書①

改めまして、Ne′yanka第3回公演「ペストと交霊術」にご来場いただき、ありがとうございました。
今回はヨーロッパ3部作(私が勝手に名付けました)の最終章。
ドイツ(神聖ローマ帝国)、チェコ(モラヴィア)ときて、1950年代のフランス(に似たどこかの国)を舞台に「大人のための演劇」を目指しました。
遠藤良太作品は、役の感情のようなものは台本には書かれていません。
そして、セリフは詩的で難解なものが多い。特に今作は、登場人物がよくしゃべります。
(しかも、その本音はどこにあるのかわからないセリフばかり)
なので、俳優陣も苦労したことと思います。役者は感情を表現する仕事でもありますから。
ただセリフにとらわれていた俳優たちも、その裏にある役の感情に気づいてから、とても自由になっていったように思います。
遠藤作品は言葉は難しいですが、描かれているのは人間的な感情です。
そこに気づけると、一気に演じることが楽しくなるのが魅力だと思います。
(脚本だけだと、そこに気づいてもらえないので、オファーのときはなかなか苦労します)
私は、本でいうところの読後感、余韻が残る作品が好きです。
今回は舞台上に誰もいなくなったシーンを見せて終わるようにしました(実際はいるのですが布に隠れて見えない)
この布のアイデイアは稽古最終の2日くらい前に思いついたものなのですが、ダブルミーニングになっています。気づいた方はいらっしゃいますでしょうか?
いらっしゃったら、ぜひ、乾杯しましょう。
では、この辺で。また何か思いついたら書くかもしれません。
Ne'yanka 両角葉