
INTERVIEW Vol.3
「MILANDA ミランダ あるいはマイ・ランド」を、より楽しんでいただくためのスペシャルインタビュー企画!!3回目の今回は、Ne'yankaの全作品に出演されている福永理未さんと、山川恭平さん(Peachboys)に作品に対する感想をうかがいました。作品を観る際にヒントとなるコメントもお話してくださっていますので、ぜひ公演前にご一読ください★
―出演を決めた経緯をおしえてください。
山川 台本をもらって、台本が面白くて。Ne’yankaは旗揚げ「黒い二、三十人の女」を見ているんですが、細かい話は正直おぼえてなくて。でも不思議な感じの話だなって思っていました。やったことのないお話だなと。
福永 Ne'yankaの世界観が好きなんです。正直、台本を読んで、その面白さに最初気づいてないことが多いんだけど(笑)、稽古をしていくちにいろいろ気づいたりとか、いろんな可能性のある作品だということを3回出て思ったから、今回もやってみたいと思いました。

山川 台本を読んだときは、定義しづらいっていうのがあって。寓話っぽい。意味を作ろうと思えば作れるし、でも、それを固めて作っても作品として面白くないし。寓話の面白さって、お客さんがどういうふうに捉えてもいいものだと思うんだけど、お客さんに投げっぱなしにしすぎないレベルの自由度で提示できたら面白く感じてもらえると思う。
福永 私は最初に読んだとき、この本に出てくる登場人物に会ってみたい、演じている人を見てみたいと思ったかな。
山川 日常的な話ではないけど、じゃあ、ものすごいファンタジーかというとそうでもない。こういう島がもしかしたらどこかにはあるかもしれないって感じさせる何かが、本からすでにあるので。そこを出せたらいいかなっていう気がしますね。
福永 余白がある台本だから、立体的になったときに、面白くなるかなって思う。読み物としてというよりも、演劇としてどうなるのか想像が膨らむというか。読み終わった後に、もう一回最初から読みたいって思った。最初この人なんだったっけ、ってまた振り返ってみたくなる。
―ご自分の役はどんな役ですか?
山川 この本の中では特殊な立ち位置だけど、浮きすぎても変な感じになっちゃうので、その辺をどうしようかなと探っているところです。

福永 これまでNe’yankaで演じてきた役は揺らぐことがなかったんだけど、今回の役はすごい揺らぐし、その場で起こることにある意味翻弄されているなって、自分でやっていて思う。周りももしかしたら、私に翻弄されているかもしれないけど。
チラシ(表面は福永さんの写真)に関しては、なんで私がそこにいるかっていうのが、見終わった後にお客さんが分かればいいな。
山川 チラシが解釈の手助けになるかもしれないね。
福永 あと、チラシの裏にある、「ねぇ、どうして私たちがこの場所に集まるのか、ふと忘れてしまうことがない?」って言葉が、この作品を表しているんじゃないかなって思えてきた。舞台となる島で起こることは変わっているけど、普遍的な物語じゃないかな。
山川 現実では起こりえない不思議なことが起こるんだけど、割と島の人は受け入れる。不思議なことが起きても、生活も普通にあるというのが同時に成立しているのが、この本の面白いところかな。ガルシア・マルケスの『百年の孤独』みたい。
これまでの作品もだけれど、Ne’yankaってマジックリアリズムのイメージがある。魔法とか、そういう不思議なことも普通に起こるし、登場人物もそれを当たり前のこととして受け入れているし。
福永 分かりやすい!!

―見に来てくださるお客さんに一言お願いします。
山川 メッセージを受け取るというよりかは、南の島の不思議な話だったなって感じてもらえるように作りたいと思います。南の島に来る気持ちで来ていただけるとありがたいです。
福永 演じる方はいろいろ難しいこともあるし、今苦しんでるけど(笑)、見てくださる方はあまり難しく考えずに、目の前で起こることを楽しんでくれればいいなって思う。そうしたら、何か見終わった後に、もしかしたら何かに気づくかもね、くらい(笑)。これは何を伝えたいんだろうとか、何が伏線なんだろうとか考えずに起こることを受け入れてもらえるように頑張ります。そういう気持ちで肩の力を抜いてみてくれたらうれしいな。

