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interview vol.3

今回は姉妹役を演じるしゅはまはるみさんと馬場史子さん、この姉妹に大きな影響を与える人物を演じる青木十三雄さんのインタビューをお届けします。稽古開始当初から相性抜群の三人。「ペストと交霊術」のご自身の役どころや見どころを伺いました。

―では、最初に「ペストと交霊術」の台本を読んだ感想をお願いします。

 

しゅはま 遠藤良太さんの台本は何度か読ませてもらっていて、いつも面白いなって思っているんですけど、今回ももちろん面白いんだけど、ちょっと難解というか。

 これまでNe'yankaで上演された作品も難しい言葉が使われていたりはするけど、一読してほぼ意味が分かる。でも「ペストと交霊術」は一読だけだと、わからないところがあったから、以前の作品よりは難解なのかなっていう印象でした。もちろん面白い本なので、「なんとかして理解したい!」と思わせる力はあるんですけどね。

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馬場 カナリー役の馬場です。私はNe’yankaの作品を観たときに空をつかむような世界観だなぁと思っていたんですけど、今回に関しては、読んだときに、すごく実感として得れるものがあるなという感じでした。

 恐怖感みたいなものを最初読んだときは感じたんですけど、今は滑稽な感じ。ここの人たちって自分の欲求にすごく忠実だし、素直な人たちだなぁ、愛せるなあって思う瞬間がいっぱいあって。それは皆さんと一緒に稽古していて、温度感が加わることで、さらに感じている。

 

青木 読み込めば読み込むほど難しい。でも逆にこういう芝居は読み込んで、ガチガチに作っていっちゃうと面白くなくなっちゃうような気がする。なんとな~くね。

―ご自分の役に関しては印象はいかがですか?

 

青木 あんまりいうとネタバレになっちゃうんだけど、演出で「うさんくさい人でいいよ」って言われて、実際、そういう演出もだんだんついてきて・・・。今は、いろんな情報が入ってきている状態だから、まだどうやっていいのかわからない(笑)

―しゅはまさんと馬場さんは、仲良しな役ですよね。

しゅはま&馬場 ニコイチ(声がそろったので爆笑)

馬場 姉妹役っていうところにすごい惹かれて、それがオファーの際の決め手のいっこ。私、単体で浮いている役が多くて、独りぼっちだったから、ニコイチでオウム返しをする感じがすごい好きだなって思って。実際は長女だし、上のキャラが多くて、妹っていう下の役があまりなかったので、うれしい。稽古始まってからも、「これはいいぞ」みたいな。

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しゅはま Ne’yankaの公演に、今まで(両角)葉ちゃんが私を呼ばなかった理由が分かった。「なんで葉ちゃん、呼んでくれないの?」って聞いたら、「はっちゃん(しゅはま)に合う役がないから」って言われて。そんなことないと思うんだけどなぁって思いながら、過去の公演を見てたんだけど、今回のアルマンドっていう役をもらったら、ああそうか、そうか、と。(演出家からは)そう見えているんだろうし、それも納得できちゃう感じだった。アルマンドのセリフって、きっとこういうふうにしゃべっているんだろうなっていうのが、何の問題もなく、難しくもなく、自然に浮かぶ。なので、「はっちゃんの役はこれだよ」って与えてくれたっていうのは、そういうことなんだろうなと納得してます。

 みんなで本読みしたときに、なんとなく、キャスティングってそういうことなんだっていうのが垣間見えたんだよね。ブレー(佐藤新太)はブレーのように見えるし、ガイヤルド(吉岡そんれい)はガイヤルドだし、ほかの役者もみんなそう。

―作品の見どころを教えてください。

 

青木 見どころはね、僕は(と馬場を指す)。しゅはまさんも面白いし、女性陣がみんな素晴らしい。一番好きなのはカナリー(馬場)の「わからない」ってセリフ(笑)

 

馬場 ヤバイ、本番でシーンってなったら心が…(一同、爆笑)

 

青木 本筋も面白いんですけど、それに付随する演技がいい。カドリーユ(河南由良)も面白くて、あれは絶対楽屋で笑うわ(笑)。あとガイヤルドも面白い(笑)

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しゅはま ガイヤルドって、本を読んだときはちゃんとした人だと思ってたから、最初、(吉岡)そんれいさんが読んだときの衝撃度ったら(一同爆笑)。ガイヤルドって、こんな人なんだ!でも、こういうふうに(役を)作ると脚本が広がるんだって。

 

青木 刺激になるし、勉強になる。

 

馬場 人ですよね。やっぱり。(キャスティングを見て)予感としてこれは面白くなるって感じたのもありました。皆さんと顔合わせでお会いして、肌感や空気感が合った。私は人と合わせようとはするけど、自分から入り込んだりはしないタイプ。でも興味がわく人だらけで、どんどん知りたい欲が出てくる(笑)みんな、ソフトなのにクセが強い(一同、爆笑)。そのクセっていうのは、いろんなことの化学変化で馴染んでいったりする感じ。ナンプラーとか(笑)単体だと「ワオ!」って感じだけど、トマトにナンプラー入れたら酸味がちょっと出ておいしいじゃん、とかっていうことが、それぞれの持ち味であるから。

 

 しゅはま 私がFacebookに書いた自分なりの見どころは、「ゴシックコメディ」。「自分勝手な人たちが織り成す一夜のどうでもいい話」って書いた。

青木 それぞれが、思っているものを隠しながら、でもちょこっとづつ本音を言いながら進んでいくんだけど、その本音がそれぞれに理解できてない。例えば、「そういうことでしょ?」ってちょっと違うことを返されても、説明するのがめんどくさいから「そうかもね」って答えちゃったことで、食い違いながら話が進んでいくような感じかな。

馬場 そういう意味でいうと、普通の話なんだなと思った。よくある、あるある。

 

青木 確かにね。実生活でもある。

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馬場 この人たち、自分たちに都合よく解釈して決めつけるし、自分の解釈したいほうに人の感情をもっていきたがるし、やっぱり自分がかわいいし・・・。こういうところがあるからこそ、すれ違いっていろいろなところでうまれてくるのかな。そういう意味では普通な人々。そう思ったら、少し昔の外国が舞台だけど、国だったりとか、時代感だったりっていうのも、そこまで固執しなくていいんだなぁと思えましたね。セリフも結構、シニカルだし、皮肉っぽい。

 

しゅはま そこが遠藤さんのセリフの好きなところ。 

馬場 別の国の違う時代に舞台を設定することで、現代の日本で取り上げると生々しくなる話題を緩和させているのかもしれない。だからこそ、ちょっとグロテスクな表現もコメディ要素としてやりやすいのかな。

 

青木 コメディ要素というより、ばんばんコメディだよね。

 

―最後に見に来てくださる方へのコメントをどうぞ。

 

馬場 早くも大人気!(爆笑)すでに席が埋まってきているんですけど、叶うことなら2回観ていただくと、いろんな角度で観れる気がするんですよね。それが遠藤さんの脚本の面白さ。視点変えてみたりとかもするといいかも。

 

しゅはま 一見、難しそうな台本だから、1回見ただけだと、なんか難しいこと言ってたなと思いがちだけど、意外とそうでもないっていうね。内容を汲み取ってみると全然むずかしいこと言ってないっていうのが、2回見るとすごくよくわかるかもしれない。

 

馬場 もしかしたら追加公演ができちゃうかな?席は埋まっちゃうぞ!!

 

しゅはま 生き返り割※って、この作品でもできるんじゃない?「ペストと交霊術」だと「復活割」。

※生き返り割:しゅはまはるみ出演の映画「カメラを止めるな!」でのリピーター割引のこと。カメ止めもお見逃しなく!

 

青木 2回といわず3回!

 

―ロングラン公演にしないといけないですね(笑)

 

しゅはま 生き返ってほしいですね。何度でも、何度でも!

 

青木 ドリカムか!

 

最後、全員でDREAMS COME TRUEの「何度でも」を合唱していました(笑)

どうぞ皆さん、何度でも見にいらしてくださいね♪

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